日本生薬連合会会長挨拶


 日本生薬連合会は、昭和50年3月12日、生薬を取り扱う六つの地域団体
本町生薬会(東京)、愛知県生薬会(名古屋)、京滋生薬会(京都)、北
陸生薬会(富山)、神戸生薬会(兵庫)、大阪生薬協会(大阪)が、生薬
の発達に必要な事項について調査研究し、業界の公正な意見を取りまとめ
その実現に努力するとともに、会員相互の親睦等をはかり、会員の共通の
利益を増進し、もって生薬産業の健全な発展、国民の保健衛生の向上に寄
与するため設立されました。
この間、日本薬局方や日本薬局方外生薬規格の改定には、日本薬局方調査
会生薬等委員会などに委員を選出して、団体として生薬試料の提供や分析
データの集計等を通じてその改定に深く関わってきました。

 また、生薬の残留農薬問題に際しては、訪中調査団を組織して問題点の
把握に努めたこと、5年毎の局方改正に際しては技術委員会を中心に会員
会社より収集したデータを以て意見提案を行い、さらに中国が薬用植物資
源の保護のため輸出規制を発動した折には、関係団体と連携して原料生薬
の確保に努めてきました。

 一方、東日本大震災に際しては、災害復旧のため義援金を募って、日本
赤十字社を通じて被災地に送るなど東北の復興にも微力ながら尽力してい
るところです。
 
 昨今、生薬輸入価格の高騰による生産原価の上昇、放射能汚染、医薬品
の品質確保に対する国際的な動向にともない「生薬及び漢方製剤の製造管
理及び品質管理に関する基準」が制定されるなど、私達の業界にとりまし
ても生薬の品質と確保と安定供給の課題は益々多くなってきております。
この様な時だからこそ、生薬を取り扱う者が知恵を出し合い団結して取組
んでいかねばなりません。 

 当連合会は、良質の生薬を安定的に供給することを旨として活動してき
ましたが、これからも科学技術の進歩に対応しつつ、より安全を求める社
会の要請に応え、原料生薬を取り扱うものとしての使命を果たしていきた
いと考えております。 
 
 会員各社のご理解・ご協力を賜りますようお願い申しあげます。
 

                   日本生薬連合会会長 大野健一




ホームに戻ります